コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ(2009/日)

前半は凡庸に感じたが、後半に一気に盛り上がりを見せた。汽車に乗って遠くの宿へ行ったり、知らない街を歩いたり、というシーンで映画の中の世界が広がったのが良く作用したと思う。広末が好演していて言い意味でびっくりした。こういう役のほうがいいじゃん。
agulii

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作が好きなので、不安と期待が入り混じった気持ちで観たが、満足できる出来だった。割合、原作を前提した感想になっているかもしれない。

前半はすべてが狭苦しく、映画の中の世界の広がりがない。 これは失敗かなと考えたのだが、大谷が心中しにいくシーン以降は盛り上がりを見せる。

一番気に入ったシーンは主人公が、米軍と娼婦がたむろする街を歩くシーン。 あそこで妻の世界がぱっと広がり、最後の妻の行動に繋がる。視覚的に上手く表現されていて好感が持てた。今まで狭苦しく感じた描写も、これとの対比のためなのかな、と思えた。

おくりびと』で広末の演技だけが気に入らなかったため、不安に思っていたのだが、この作品では上手く演じている。むしろ、魅力的だった。演技もそうだし、髪型・眼鏡・和装すべてが可愛らしい。

ラストは原作にもある大好きなせりふで締めてくれたので、それだけで満足。正直ラストのせりふまで引っ張りすぎな気がしたが、良いせりふは引っ張りすぎでもやはり栄えるなぁ、と感じた。

どちらかというと原作読んだ人向けの作品に思えたが、読んでない人的にはどうなんだろう。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)青山実花[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。