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[コメント] イングロリアス・バスターズ(2009/米=独)

リアルタイムで描かれるプロローグと居酒屋のシークエンスの緊張感よ。映画としてとても充実してる。98/100
たろ

**ネタバレ注意**
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タランティーノ映画は深く考えず観たいので楽しんだ者勝ちなのだろうが、本編もそうだが映像が凄く良かった。照明の当て方なんて神かと思うくらい。

アホそうな総統と側近、ナチをぶっ殺すだけが目的のバスターズ。なんと単純な構造か。しかし起こる事件は「なんでそーなるの」となる事ばかりでそこは嫌味なくコメディに仕立てているのが良い。シリアスの中にもユーモアを取り入れる、タランティーノなりのおふざけが垣間見える。

特筆すべきは冒頭のフランスと、居酒屋のシーンかな。これらのシークエンスは時間軸を飛ばす事なくリアルタイムで描かれるゆえ緊張感がスゴイ。一つの場所で展開される会話劇とどんどん暴かれていく嘘、嘘が確信に変わった時の後には引けない絶望感。その先には殺戮が待っている。戦争開始前のカウントダウンのような雰囲気を醸し出し、撃ち合い、殺し合い、騙し合い、そして呆気なく問題は終結する。正義が、大義が成されたは関係なく。そんな虚しさを各々のキャラクタの魅力でカバーする、タランティーノのお茶目さ。映画として充実してると思う。

(評価:★5)

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