[コメント] 黒い十人の女(1961/日)
市川監督の描いたスタイリッシュでブラックユーモア溢れる作品。モノクロの映像の中、岸恵子の存在はクールで忘れられない輝き。
市川監督ほど幅広く作品を撮る人も珍しい。海外ではたくさんいるけど邦画界だと何故かカラーが固定しまう監督が多い。この作品は自分が邦画界に幻滅していた時にビデオで観てノックアウトされた作品。描いているテーマは実は社会派ドラマなんだけれどそれをダイレクトに描かずにコメディのエスプリを散りばめたり独特のブラックユーモアを披露していてフレンチ映画を観ているみたいで脱帽。モノクロの印象的な画面に登場して場をさらうには圧倒的な美貌が必須なんだけれど岸恵子の彫刻的なルックスと山本富士子の女っぽい風格あるルックスは見事監督の要望に応えている。現在活躍する女優とは根本的にオーラが違う感じ。気品があるというか・・。宮城まり子の不気味な感じも一役買ってる。テレビでリメイクされるようですが果たして21世紀版『黒い十人の女』はどう描かれるのか?。このようなライトに描かれているようで根底に深いテーマの潜むスタイリッシュな作品はもう今の邦画界では難しいのでしょうか?。一度御覧あれ。
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