[コメント] 風が強く吹いている(2009/日)
大々的に記録には残らずとも、一部の人の記憶には残るであろう佳作。例えていうと区間6位とか、そんな感じの作品。
駅伝シーンをはじめとする「走り」のシーンが(多分実際の舞台をも使いながら)非常に臨場感に溢れて感動的で、大森寿美男の初監督作らしい熱さを感じ、基本的には好印象を抱いた。
しかし、不幸にも原作を先に読んだ者としては、走とハイジを主軸に据えるのは当然だけれども、他の8人や葉菜子、あるいは榊といった登場人物の描写が薄すぎることや、過度な脚色に対し、かなり微妙な感想を抱いているというのも正直なところである。
特にラスト、ゴール間近のハイジの状態を描いた展開は、よりドラマチックな画がほしくてあのような形が選択されたのだろうが、あれではドラマとしてあまりに常套すぎて安っぽくうつり、箱根駅伝の持つ歴史が軽んじられたとすら感じ、しいては寛政大学が起こした「奇跡」の感が薄まってしまった気がして残念であった。
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