[コメント] 母なる証明(2009/韓国)
考え抜かれた推理ドラマの一級品であり、ラストは人間の生きるつらさが伝わってくる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
単純に時間軸だけを取ってみると、本格推理ドラマになるのが全編2時間強の内1時間経過したあたり。犯人が分かるのが1時間30分。そして、1時間45分からラストの急展開が始まる。半分、半分、半分と計算されているのだ。
伏線の巧みさは今更言うまでもないだろう。一番大きな謎―死体を何故屋上へ運んだのか―の解明の見事さには唖然とさせられた。犯人当て自体は、こういうパターンは既に過去にいくつかあり、当てる推理愛好家も居るだろうが、この謎解きは今迄無かった様に思う。スゴい。
物語のオチのつけ方としては、この作品の形の他にいくつか考えられる。息子トジュンが更にすべてを思い出すとか、母があの小屋に行った時の目撃者があらわれるとか・・。
しかし、作者の意図は推理ドラマを作ること(最後はすべて明らかになってスッキリ)ではなくて、人間が生きるということを描きたかったようだ。本当に忘れてしまいたい事も人生の中にはあり、そしてただ踊り狂っていたい時もある、ということだろう。
オープニングの母の不可解な踊りはラストで明らかにされる。オープニング自体も伏線になっているのだ。心憎いまでの計算ではないか!
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。