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[コメント] 私は二歳(1962/日)

市川昆さんて、何でもできるのね、という象徴的な作品。同じ年に島崎藤村の『破戒』という映画も撮ってる。この頃の市川監督はむさぼるように映画を作っている。
chokobo

このカラーが不思議な感覚をもたらす。随分昔にこの映画を見たら、そのフィルムが実に雑で、不思議なカラーだなあと思って見ていた。実際は原盤が残っていてしっかりとしたカラーだったようだ。その思いがずっと続いていて、この映画の印象が不思議感をもたらすのだ。

映画では最後に祖母が亡くなって、同時に子供が二歳になる。私自身が生まれた年でもあり、同じような環境を思い起こすのだが、それ以上に親とか自分の子供だとかがずっしり自分にのしかかるような思いも残る。

和田夏十ありきの映画でもある。

この映画を親の立場で見る者はあるまい。皆自分がそうであったあの頃を自分に投影するのだ。自分が赤子であったあの頃である。そしてその目線で大人を見ることで当時の社会性が浮き彫りになってくるのだ。

しかしあの頃に戻りたいとは思うまい。それが人間の義務なのだから。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)shiono[*]

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