[コメント] パブリック・エネミーズ(2009/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
デリンジャーのエピソード(知っている人には有名なんでしょうが)が、物語の背景や登場人物の動機などの説明はほとんど省かれたコマ切れのように紹介されていき、せっかく迫力あるドンパチが始まってもどうものれなかった。人物には迫らないのに妙に被写体に迫るハンドカメラは、何の効果を狙ったものなのだろう? ドキュメンタリタッチなのか、デリンジャーたちと一緒にいるような臨場感なのか? 「いままでにないドンパチのアングル」っていう以上の明確な意図を感じなく、それよか観にくさのほうが気になってしまった。
退屈さを感じていたところ、物語は男装させたビリーをアパートから脱出させ、2人で逃げるところから俄然盛り上がる。このへんからやっと登場人物たちの「自分のしたいこと」が見えてきた。何だ早くここに来ればよかったじゃん。デリンジャー、メルヴィン警部、ダラスから来た助っ人刑事、張り込みをまかれるシカゴの刑事、デリンジャーの支援を断ったシカゴのギャング、それにビリー。ようやく「顔の造形」だけだった彼らの「ドラマ」が動きだしていくような感じだった。
捕捉された彼女をなすすべなく見捨て去るデリンジャーの泣き、失敗を取り返そうとあせりビリーを拷問する刑事と、かえって強い気持ちが芽生えるビリーとの取調室での対決。失禁した彼女を抱きかかえるメルヴイン。いい場面が連発。ラスト「デリンジャー」の最後の一言を面会の刑事から聞くまで、倦怠と苛立ちを装い彼の死を意識から遠ざけようとしていたビリーが、一瞬にして素にかえるシーンは感動的だった。こんなにベタなのに…。こういうのはやっぱり演技力なんでしょうね。後で知ったけどさすがオスカー女優。ホテルのクロークで彼女のコートを広げて「他に質問は?」と誘うデリンジャーにのるかどうするか、クロークの隣の女性に目配せなのか相談にのって欲しいのかチラと顔をうかがい、スッとコートに袖を通すまでの間とか良かったなあ。てか、マリオン・コティヤールってとてもかわいい。好きになってしまった。予告編でやってた『ナイン』も観にいくぞ。
(評価:)
投票
| このコメントを気に入った人達 (2 人) |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。