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[コメント] パブリック・エネミーズ(2009/米)

カウントダウン、あるいはハンティング。[091213 地元のシネコン]
浅草12階の幽霊

予告編で期待させられたほどにはこの作品には見せ場らしい見せ場がない。キメどころというか、そういったものが無い。ひょっとしたら監督や脚本家はそういう場面を作ったつもりだったのかもしれないが、私には届かなかった、ただしジョン・デリンジャージョニー・デップのラストシーンを除いて。

この作品は彼の運命をストイックにカウントダウンした"だけ"だったのかもしれない(事実をベースにした作品なのだからそういった構成は必然だったのかもしれないが)。だが、例えるとその運命が10カウントだったとして、私には「1」からではなく、「4」ぐらいから始まっていたような印象を受けた。彼の過去はほとんど劇中でほとんど述べられない。わたしのよく知らない人物が、メルヴィン・パーヴィスクリスチャン・ベールという精悍なハンターに追いまわされている。わたしは戸惑う。

しかしマイケル・マンは、彼をそのハンティングの渦中を通してのみ描こうと挑戦していたように思う。彼の過去を描くことを拒否している。その理由は劇中においてジョン・デリンジャーの口から述べられている。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)おーい粗茶[*]

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