[コメント] ジュリー&ジュリア(2009/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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料理研究家のジュリア・チャイルドと彼女の出版したフランス料理本の全レシピを1年で制覇しようとブログに掲載したジュリー・パウエルの2人の女性の実話を描いた映画。
ジュリアの話とジュリーの話が、一度も現実にリンクすることなく終わってしまったのは肩透かしな印象。
後半でジュリーはマスコミの電話でジュリアがジュリーのブログを快く思ってないことを聞かされるシーンがあるが、その後、ジュリーがジュリアに侘びを入れるような姿もなく、ジュリーが自己解決みたいな感じでそのことでの悩みを払拭して終わりというのはなんか納得できなかった。せめて、ジュリーとジュリアの間で和解するような描写は必要だったと思う。
そもそもジュリーの話はジュリアの存在なくしてはあり得ない上に、そのジュリアが劇中で健在であることも仄めかしておいて、全く交わらずに描いた意図が分からない。結局、この作品は実在する2人の女性の話をただ同時並行に描いただけで終わってしまい、なまじ並行して話が展開するので、ジュリアが女性が冷遇される時代の中で単身、料理学校で学ぶ大変さも伝わらず、実話を映画化しているリアリティがなかった。
ノーラ・エフロンは監督としてはストーリー作りにあまりやる気が感じられず、いつもどこか手を抜いている印象があるのが残念なところ。
ただ、メリル・ストリープのジュリア・チャイルドの成りきりぶりの完成度の高いことは、劇中でのサタデー・ナイト・ライブのダン・エイクロイドのモノマネ映像を見ていて、よく伝わった。確かに劇中のメリルの演技によく似ている。
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