[コメント] ジュリー&ジュリア(2009/米)
料理を会得してゆき、評価される人間としての嬉しさより、むしろ食べる側の人間を満足させる喜びにこそ踏み込んでいって欲しかった。メリル・ストリープという逸材を単なる物真似のできる大女として扱ったのは不見識も甚だしい。料理とは人間の生き甲斐にすら言及してゆける主題と知って欲しかったものだ。女優たちは好演しているが、心に響かない。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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なお、皆さんが指摘されている「ジュリア・チャイルドがジュリーのブログを不快に思った」件について。 ノーラ・エフロンはジュリアがそこから料理への情熱よりも野心を感じ取ったからではないかとしているが、もう少し冷却期間をおけば理解しあえたのではないかと答えている。ジュリアは自分の意思に反したところで自著を利用されたと感じたようだが、書物は書き手の思わぬところで一人歩きしてゆくものだから…と。だから和解はあったに違いないが、エフロンは取ってつけたような和解ととられるのを嫌ったのではないだろうか。あくまでストーリーの上での自然さを考えて敢えて問題を観客に投げかけたものと感じられた。
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