娯楽映画のお手本のような『レイダース』と比べるとやはり落ちる。もちろん、魅力的なシーンは多数あるのに、だ。（まさにジェットコースターに乗っている感覚を味わえるトロッコレースのシーンなど、シリーズを代表するエキサイティングなシーンだと思う。）

前作では“失われた聖櫃”の話を聞き、自ら旅に出たインディ。しかし、本作は完全に巻き込まれ型で展開していく。冒頭の上海でのエピソードがのちの展開に何ら絡んでこない。たまたま不時着したインドで、助けを乞われて冒険に出るというパターン。そこで、強制労働させられている子供を救いたいといった思いが芽生えるわけだが、どうしても「たまたまそこにいる」ということが気になって、こちらとしては乗り切れないのだ。

前作では流れるようにストーリーが展開していたが、本作ではわりと“待ち”のシーンが存在していて、魅力的なアクションシーンへのつなぎがスムーズとは言いがたい。動きが少ないことの理由として、どの展開もすべて同じ場所で起こっているというのもある。あちこち移動して真相をつきとめていくという感じがなく、加えて前提が巻き込まれ型であるため、インディの探究心が薄いように感じてしまうのだ。

なんだかもったいない…。すごく普通のアクション映画に収まっちゃってるのが。