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[コメント] 誰がため(2008/デンマーク=チェコ=独)

敵の姿が見えているのなら、それ程戦い易い事はない。☆3.5点。
死ぬまでシネマ

普通の軍隊の兵士であるならば、組織の規律の中で共通の敵を討てば良い。しかし小さなレジスタンスグループのテロ実行者たちにとって、敵が誰なのかは中々見えてこない。スパイや裏切り者が入り乱れる中で怒りに任せて戦い続ける事は、必然的に悲劇を招く。

映画の完成度は高いとは思うけれど、水那岐さんの言うような若きテロリスト故の悲劇、ヌートリアEさんの言うような国民からの乖離、というテーマを演出者が強く意識していたのなら、そこへもっとエッジを鋭く描いて欲しかったような気もする。

人間関係・組織からの孤立、支援の断絶、戦線からの脱落、負傷…、若きテロリストの末路を辛辣に描き切れなかったのは、歴史上に存在した愛国者たちに、演出者がそこまで非情に向かえなかったからかも知れない。

(評価:★3)

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