[コメント] 真木栗の穴(2007/日)
売れない作家、日傘の女、木造アパート。懐かしい情景と懐かしい怪奇。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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日傘の女こと隣室に越してきた訳あり女性を演じた粟田麗の楚々とした存在感と、現実と妄想を彷徨い精神を病んでいく作家真木栗勉(まきぐりべん)を時にユーモラスも感じさせ演じた西島秀俊の役作りがいい。置き薬屋のセールス、隣室のボクシング男、真木栗担当の女性出版社員などの脇役も、お定まりな設定ながらそのイメージを一歩上行く印象を残し、総じて登場人物の魅力度の高さが、物語を引っ張っている感じ。
もっともプロットの面白さも覗き見というアイデアもさほど重視されておらず、淡々と描写される懐かしい情景と懐かしい怪奇を味わう一品だと思う。DVDで鑑賞したのだが、これ撮影自体もデジタルHDによるものなのではないかと思う。クリアでドライなデジタル画質は、作品に必要な湿り気と決定的にそぐわない。セットにしか見えない真木栗の部屋やアパートの共同階段なんかがとても惜しい。
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