[コメント] インビクタス 負けざる者たち(2009/米)
円熟の匠による「マイノリティ讃歌」最終形。
沈黙から闘争、そして融和へ。これは円熟の匠イーストウッドによる「マイノリティ讃歌」最終形ともいうべき作品である。生涯を通じて、人々は苦しみ、そして魂は消えゆく。しかし、誰彼の想いは詞となり、歌となり、画となって引き継がれ、松明の灯は続いてゆくのだ。生きるということはすなわち、「なぜ、苦しむのはいつも自分なのか?」と心の中で叫びながら、逃れることのできない死のその瞬間に至るまで、一寸先も分からぬ暗闇の世界を手探りで進んでいくことに他ならない。長く苦しい旅。ひとりで堂々と終着駅まで辿り着くのは難しい。どうしたら一度限りの生を、毅然と生き抜くことができるのだろうか? 途中、大きな障害につまづいた時、道に迷って途方に暮れた時、しかし、愛すべき芸術があなたを絶望の淵から救い出すことだろう。一遍の美しい詩や、この映画のように。
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