アンソニー・ホプキンス、御年72歳。その彼が狼男に変身して、実の息子役であるベニチオ・デル・トロと対決するというのが、このお話の見せ場なわけであるが、いやはや、ホプキンスは実に楽しそうに、この役を演じているように見えた。

アカデミー賞主演男優賞の実績なんて、彼には関係ないんですね。自分が楽しめればそれでいい、そんな様子がスクリーンいっぱいに広がっているように感じられて、観ているこちら側も実に楽しかった。

デル・トロの暗い表情も、映画の雰囲気に合っていて、とても良かった。国籍の違う二人が親子を演じるという設定が、観る前はどんなものなのかとちょびっと心配でもあったのだが、特に違和感もなく、上手く演じられていた。二人共大好きな私には、これはとても興味深いカップリングだったよ。

それにしても、特殊メイクって面白いな。どんなに毛だらけになっても、ホプキンスはホプキンス、デル・トロはデル・トロの特徴が出ていた。