[コメント] また逢う日まで(1950/日)
何よりまず、「そんな事まで説明すな!」と叫びたくなるほどの、全編を埋め尽くす無粋極まりない独白に辟易。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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有名なガラス越しのキスシーンを一つだけ取れば、それはそれで初々しい魅力を感じたりもするのだが、そのあとに生キスが結構出てくるので、あまり感銘は受けなかった。いっそのことキスシーンはあの一つだけにして、周囲の抑圧や未熟な愛ゆえに、あのように皮膜一枚隔てたキスしかできなかったという流れになっていたら、切なさのひとつも感じたとは思うのだけど・・・。
戦争が生んだ恋愛悲劇とも言えるのだけど、その悲劇の結末を支えているのが結局はメロドラマの定石である「すれ違い」だというトコロが、なんとも中途半端な印象。主人公の世間ズレしてない坊ちゃん振りにイライラされられることも多かったけど、全体の話としては、人間的、社会的な成熟の機会を戦争に奪われてしまった若い2人の悲しい恋愛、としてみれば納得できなくもない(かな?)。
あとは久我美子の清楚な魅力もさることながら、個人的には杉村春子。出てくるだけで画面が引き締まるような感じにさえなるが不思議。岡田英次の過剰な独白が横溢するこの映画の中でも、どんなにさりげないコトバであってもこの人のセリフ回しには、人の耳をしっかりとらえる力がある。希有の女優であることを再確認。
(2002/8/18)
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