[コメント] 必死剣 鳥刺し(2010/日)
「若い頃はホント良かったのに、もうおじさんになっちゃったねえ〜」
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これは俺が言ったんじゃないよ、帰りがけにエレベーターが一緒になった、中年のご婦人方がそう言ってたんだ。むろん豊川悦司のことだわな。
俺に言わせたってそう。映画にはある種の美を、というより極度の美を求めるので、こんな女中顔の女優さんがヒロインじゃどうにもならない。東映調のしみったれたドラマツルギーも相変わらずで、布団かぶって寝てた男がなぜ女の部屋を襲うかね。必要なのは、いつもとちょっと寝姿が違うとか、そういう描写なんだけど。同時に納得性があるから≪意外性≫が活きる訳で、ただ意外なだけでは人間が描写されてることにならんやね。気持ち悪いだけだ。
家庭的なささやかな幸福というものを一つの理想とし、その実現を妨げるものとして≪武士道≫ないし≪武家社会の規範≫を描くという近頃ありきたりな主題なんだが、そうだとしたら、その妨げる方が当時の普遍であったはずなんだ。それを感じさせる描写の微塵もないのが稚拙だわ。
映像は綺麗だったし、武家生活のディテールをこまこまと作り込む姿勢は秀逸だったので、この舞台装置が継承され、次々に時代劇が作られるのであれば、いつか傑作も生まれるかも、とは思えた。
65/100(11/02/11記)
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