[コメント] 必死剣 鳥刺し(2010/日)
現在と過去を行き来する物語の進行が的確で、その心地よいリズムに乗せられてぐいぐいと話に引き込まれる。さらに、余分な装飾を排除した平山秀幸の禁欲的な演出が「硬質な緊張」と「端正な品格」を生み出しクライマックスの剣戟の悲壮美に格調の高さが漂う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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三左ェ門(豊川悦司)と帯屋(吉川晃司)の死闘に、演技としての殺陣を超越した殺気が充満している。二人が交える一太刀、一太刀に「重量」を感じるのだ。それは、ここへと至るまでに同じ感情を抱きながら立場を分かった二人に付与された、苦渋と憤怒の「重量」だ。そして、この積もり積もった「重量」を反発のエネルギーとして「鳥刺し」は放たれる。愚直でクールな平山演出は、そんな「感情」の「重量」化に成功している。
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