[コメント] ベスト・キッド(2010/米)
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オリジナル版(以下、オ版)の諸要素をできるだけ生かして、細部をよりリアルっぽくというか、現実社会との辻褄を合わせることに腐心した作品という印象です。
僕自身は、オ版を同時代的に見た世代です。当時の子どもらにとって最大のセンセーションは、ペンキを塗る、ワックスがけをする、といった日常の単調な作業の中に、武芸の奥義にも通じる基礎動作が潜んでいるという、“物の見方”の提示にあったと思います。人によっては、ラルフ・マッチオ(オ版の主演俳優)の捨てられた子犬のようなクンとした表情だという方もいたことでしょうが。ただ要するに、子どもではあっても、所詮はこれも虚構だろうという冷めた見方も、どこかで持ち合せていたようには思います。
本作はその辺、よりリアルっぽくなっています。その分、ジャンパーを脱ぐ、捨てる、拾う、掛ける、また着るというこの一連の動作に、子どもたちがこぞって真似たくなるような磁力がどれだけあるのかなと、いう気がしました。無論、僕自身が、本作のドレ少年のような年齢どころか、オ版のダニエルのような高校生であった時期さえ、はるか遠い昔となり、もう共感できなくなっているだけかもしれません。
オ版を見ていなければ、また違った見方はあり得たでしょう。だがチェンの役柄を、知らないアジア人が演じていたらどう見えたか。少なくとも、本作のセンセーションは、武芸の伝授役にジャッキー・チェンを起用するという一面にのみ偏っている印象は否めないと思います。
75/100(17/06/02見)
追記)七夕ってチャイナから伝わってきた風習のはずだけど、日本の七夕とはまただいぶ違う感じなんだな〜とか思いながら見ていたら、ハンさんが家族を事故で亡くした日=6月8日というのが出てきた。チャイナの七夕は7月7日ではないの???
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