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[コメント] キャタピラー(2010/日)

元ちとせさんが歌うラストに感動しました。(2011/05/04)
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







愛のコリーダ』と、前作『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の印象だけで若松孝二を判断してはいけないのでしょうが、ほかにほとんど情報がないだけに、この作品に対する印象を伝えるのも大変難しいものとなってしまいますね。

前作『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』で示した学生運動から、さらに遡って戦争中の日本を自虐的に表現する手法は、きっと若松孝二にとって自然な遡及方法なんだと思う。

1936年生まれの彼が、小学生くらいの頃に戦争と終戦を体験した事実というのは、彼がその後ポルノ映画で名声を獲得して、自らが老い、そして自らの歴史を総括する上で欠かせないモチーフだったのだろうと推測されます。

もともと彼には、人間が目をそむけたくなるようなものをじっくり「見せる」ことを狙っていることが感じられ、前作のリンチシーンなどは、どの外国映画のホラーシーンよりも真実味に溢れ苦しいものとして観客に示します。

ある意味『冷たい熱帯魚』などの人肉切り裂きシーンよりもどぎついですね。

この映画で四肢を失った軍神を面倒する妻の感覚(怒り、諦め)は、戦争当時の女性の誰もが持っていた辛い感覚なのであろうことが推測できて、それはそれで楽しめました。

でも残念ながら、感覚として自分にマッチしていない類の映画です。

2011/05/04 自宅

(評価:★3)

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