[コメント] 闇の列車、光の旅(2009/メキシコ=米)
マフィアの原型を思わせるメキシコ青年たちの殺伐。『怒りの葡萄』を彷彿とさせる中米の民の大移動。遠い過去へとタイムスリップしたような不幸が、今も厳然と存在する悲惨。闇と光の狭間を縫いながら移民を乗せて走る愚直な貨物列車が力強くもあり悲しくもある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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カスベル(エドガール・フローレス)にはサイラ(パウリーナ・ガイタン)を、闇の向こうへ送り届けなければならないとう強い意志など見当たらない。あるのは漠然とした彷徨としての逃避だ。生きることに意味を見い出せないまま、ついには追い詰められ死を受け入れたカスペルの諦観が痛々しい。そんなカスベルへ向けられる、サイラの複雑なはずの感情の起伏がいまひとつ見えてこないのが残念。
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