[コメント] オカンの嫁入り(2010/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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宮崎あおいさんていろんな映画に出演されてるけど、いやもちろん実際にお目にかかれば可愛い人なんだろうが、映画のスクリーンで見ると、鼻は数字の3を横に倒したようだし、色は浅黒いし、エラは張ってるし、なんか全体的に造形がちんちくりんで、映えない女優さんだなあ、とか思いながら見ていたが、さすがにこのシーンは画面が宮崎に切り換わると安堵した。ある意味、若い女優さんがヌードになるよりも勇気がいると思う。大竹しのぶの女優魂には素直に敬服させられた。
話は、「死」や「病」に依存し過ぎだ。それでもドラマを構成するには十分じゃないみたいで、「私が邪魔なんでしょ!」「バチン」「なんで叩かれなあかんの?」みたいな三文芝居まで見せられる。こういう物語を撮るからには、主要なスタッフに身内を失ったばかりの人が含まれるはずだが、どうしてこう薄っぺらい物になってしまうのか。娘・月子(宮崎)が「私にもちゃんと言ってほしかった。そうしたらケンちゃんのこととか、もっときちんと受け止められたのに」と真情を吐露したのにもかかわらず、母・ようこ(大竹)は「死ぬから受け入れるの? そんなの全然嬉しない」と冷たく突き放す。確かにこんな言われ方されたらムカっと(もしくはグサっと?)くるだろうが、黙り込んでしまわず、映画なんだからもう少し情理を紡いでほしい。「なんやの?! ケンちゃんだってあんたが死ぬからプロポーズしたんと違う? あんたそれ嬉しい言うたやない?! 人が死ぬゆうたら、全然それまでと世界が変わってしまうんや!」とでも言い返してくれていたら、ドラマのステージがもう1段上がったと思うんだが。結局のところ、「死」や「病」にきちんと向き合っていない。
正直、「母親の再婚」というテーマ一つでどうして映画が描けなかったのかなあ?と思う。「パニック障害の娘」という要素は、丁寧に描いていた割には疑問符だらけだったし、不要だったのではないか。
さらに言うと、このケンちゃん(確かに魅力的なのだ。へらへらしてるところが)とやらが、どうして大竹しのぶに惚れ込んだのか、まったく言及されることなく、誰も疑問を投げ掛けないのが、腑に落ちなかった。
65/100(10/12/19見)
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