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[コメント] シングルマン(2009/米)

愛することの恐怖と破滅。(2011/12/31)
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







恐怖に関する授業が彼との接点となり、授業の後ドラッグの話でよりお互いが深い関係への入り口たなる。それが始まりだった。

1962年は私が生まれた年。

日本は戦後から脱却し、アメリカは世界の覇権を獲得しながら核兵器の恐怖に怯える。そんな時代。

去年『ベニスに死す』を観た。

男が男を好きになる瞬間の恐怖は国境を越えるようだ。

貸金庫から出てきた主人公の目の前に少女がたたずむ。

誰もがこのホモ教師を悲しそうに見つめる。

彼らは目線でお互いを理解する。

獲得する愛より失う恐怖の方が怖い。

コリン・ファースはこのあたりの機微を見事に演じている。

愛は過去も未来も失う恐怖に抑圧される。でも彼らは「今」を生きる。「今」が美しい。

全編に流れる音楽も美しい。

カメラも見事だ。

ポッターと深い関係になる夜の海のシーンは素晴らしい。

愛する人ができると、相手を獲得するまでの間は夜も眠れなくなる。意識が繊細になる。

しかし、その瞬間はほんの一瞬。

全てはあるべきようになる。

これは究極の恋愛論だ。

(評価:★3)

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