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[コメント] 日本の悲劇(1953/日)

器量に主体性を奪われ投げやりになる桂木洋子に比して望月優子には体を許せば何とかなる気安さがあり、絶望の担い手としては軽すぎる。無能力の直視に耐え切れないために動物化に走る上原謙の工芸的な思考回路はホラーだ。
disjunctive

彼は自然に流されるだけではどん底にすら至れない女たちのいら立ちを逆なでにする。自然の呪縛を振り切るべくホームを疾駆する望月を捕捉した、語り手の嗜虐心がそのまま実体化したようなあの絵面の構成力は人間賛歌と見分けがつかない。

(評価:★4)

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