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[コメント] ソーシャル・ネットワーク(2010/米)

自分を頭がいいと思っている連中の誘導的な質問に、ちゃんと真意を汲み取ってきっちり言い返す同じくらい頭のいい主人公が頼もしく小気味いい。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 そういう会話劇の楽しみがまずある。ベラベラまくしたてて情報量が多いので、字幕を読むのが大変だったけど。

 思ったのは、実際のマーク・ザッカーバーグがどういう人物かはともかく、少なくともこの主人公は、彼女に振られた痛手から、動物と女性の顔を比較しようというはしたないアイデアを思いつきはするものの、その方向へ妄想をふくらませることを楽しむ性向まではなく、ちゃんと修正できる感性を持っているということ。つまり、自分で自分をオタクと(おそらく)規定しており、自分の性格にひねくれたところのあることを認識しているのだが、それでいい、そのままの自分でいいとは思っていなくて、人気者になりたいというような、若者らしい健全な欲望を持っている。自分の中に≪人気者≫とは相容れない部分のあることを知っているが、それでも自分のオタク的なところからくる才能を、まっとうで正しいことのために使いたいと思っているのだ。そしてそれこそが、多くの人の支持を得ることも知っている(広告はクールじゃない、つまりユーザーにとって煩わしいだけだから、入れないと判断するところなんか)。ただ、そのひねくれた部分に関しては、開き直って放置してしまっているようなところがあり(それはある種の傲慢さだが、衒いでもあるだろう)、それが周囲との摩擦を生む。

 そんな人物として見ることができたのだが・・・、これってデヴィッド・フィンチャー本人のことじゃない?

80/100(11/02/17記)

(評価:★4)

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