[コメント] ソーシャル・ネットワーク(2010/米)
SNSだの、ネット・ビジネスだの、アクセス数だの……
『セブン』『ファイト・クラブ』に次いで、“今時の病理”をトピックにして光る演出手法であり、作家性なのだと思う。ヒッチコック・オマージュとか、クラシック文学への挑戦とか残念ながら向いていないのではないか。
ただ、この映画のテーマは、『市民ケーン』を思い浮かべた人も多いと思うのだけれども、非常にクラシカルだと思う。高みを目指す力を持った者の物語、より高みにある物を得ることで今まで手にしていた物を失う物語、頂上に立って初めてスタートラインで失ったものが一番大きかったことを知る物語――エッジの効いたカットバックで適度に複雑な構成を見せながら、実に基本に忠実なプロットなので、すんなり入ってきて腑に落ちる。
ただ、このアメリカンのバイタリティというか、バイオリズムというか、もう見飽きたし、かったるい。精子が卵子に向かってやってたレースを生まれたあとも律儀にやってる感じというか、そのレース会場がネット上に移っただけというか。能力、競争、セックス、ドラッグ、ロックンロール乱交パーティ……
こうやってパコパコキータッチしている間に、おんなじネットで意味の分からない桁の金稼いでいる小僧がリアルにいるかと思うと、なおさら……
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