[コメント] ソーシャル・ネットワーク(2010/米)
まず第一感、デヴィッド・フィンチャー作品としては物足りないと思った。実に正攻法で作られた感が強く、それはそれで立派なことなのだが、彼らしいケレン味が足りないと思ったのだ。
エドゥアルド=アンドリュー・ガーフィールドとの訴訟シーンやボート部員の双子、ウィンクルボス兄弟=アーミー・ハマーとの訴訟シーンなどが時制を無視して繋がれるのも現在の映画の常套だし、マシンガントークも驚異的という訳ではない。端正な照明の画づくりは好感が持てるのだが、これぞフィンチャーという刻印が希薄なのだ。
そんな中でイギリスでのボート競技のシーンはちょっと今まで他で見たことがないような特異なCGイメージなのだが、逆にこゝだけ浮いてしまった印象が残る。これに比べると、同じくCGを使った処理でも、ショーン・パーカー=ジャスティン・ティンバーレイクと会合するディスコ・クラブのシーンの導入部がCGを使った大移動ショットで、2階席の手すりの下をカメラが通ったように見せるのだが、こういうさり気ない(昔ながらのクレーン移動撮影と見紛うような)処理はカッコいい。ただ、見ていて「あゝいいな」と感嘆したのは実にこのカットぐらい、というのは少々寂しいね。
あと、ウィンクルボス兄弟は一人の俳優で造型されているということを見終わってから知ったのだが、こういうCGの使い方もカッコいい。本作における一番のパフォーマンスは双子を一人の俳優で、こういうかたちで実現した、という点かも知れない。:-P
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