[コメント] ヘヴンズ ストーリー(2010/日)
いっとき右派メディアが暴走した少年法批判。被害者遺族は「違法でも犯人殺してやる」と云わされるという事態が放置されていた。本作はあの悪夢への当然の批評であり、語るべきことが十全に語られている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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復讐とは、娘が失禁するような劣情と快感なのだ、と冒頭で的確に描写される。行方不明になったこの娘を探す柄本明の爺さんの絶叫、という掴みがとてもよく、長尺の全体を規定している。
瀬々の撮影はどれも面白く、私は長尺でも飽きることがない。序中盤とラストの薪能はとてもよく撮れており、眩暈を諫めるという主題に相応しかった。そのように寉岡萌希は亡霊に生を託さる。そしてもうひとり、赤ん坊を産む江口のり子の件も出色で、彼女の我儘こそが生の活力だろうと思わされた。若年性アルツハイマーの山崎ハコは、『青春の門』主題歌からの炭鉱町への出演なのだろうが、痛々しい造形。プロの俳優がほしかった。
村上淳の「復讐代行サービス」は復讐をコメディ化していいサブストーリー。佐藤浩市は面白く、動物園でのんびりした動物に囲まれて殺される津田寛治の件がまたいいユーモアがあった。
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