[コメント] 完全なる報復(2009/米)
もっとハードでシリアスなドラマとして展開した方が良かったように思え、ちょっと中途半端な印象が残る。刑務所をめぐるアイディアなどは意外性があってそれなりに楽しめた。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ジェラルド・バトラー演じる主役の造形がなんとも中途半端。「正義」だとか「司法制度を破壊する」とか大げさなことを言っている割には、それにみあった深みや葛藤、切なさ・哀しみなどが感じられないから、復讐の一念にとりつかれただけの、ただのやつあたり系大量殺人鬼にしか見えない。
強盗犯二人や直接司法取引をした弁護士と担当検事ジェイミー・フォックスを標的にするのはわかるし、彼らを殺害するのは当然なのだろう。
しかし、検事の部下を一度に殺害したり、果ては市長以下重要人物の殺害計画にまでいたっては、ただのテロリストではないか。
このつまずきは、彼が、たまたま同室になった囚人を唐突に殺害したあたりから始まっている。いくら独房に入る必要があるからといって、まるで無関係な囚人をためらいもなく殺すのはやりすぎだろう。
無関係な人間は殺さない、という姿勢を貫いてこそ、主役の苦悩や決意、悲壮感が伝わってくるのではないだろうか。その辺がいささか残念であった。
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