[コメント] ブンミおじさんの森(2010/タイ=英=仏=独=スペイン=オランダ)
映画を見終った人むけのレビューです。
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シトシトピッチャン・トムヤムクンみたいな名前の監督のタイ映画初のカンヌパルムドール受賞作。
話も分かるし、やりたいことも分かる。カンヌで評価されたのも分からんではない。 おそらく世評は高いだろう。 だが私には、設定以上のサプライズはなく、むしろ退屈でさえあった。
最近自分でやっと分かってきたのだが、岡本太郎が言うところの「なんだこれは!?」ってのが好きなんだ、たぶん。「べらぼう」なのが好きなんだ。実際、岡本太郎の作品は大好きだしね。今年は太郎生誕100年でいろんなものが見られて嬉しいよ(<全然関係ない話)。
そしてこの映画には「なんだこれは!?」ってな予感を感じて観に行ったんだ。 そしたら意外とありきたりだった印象。 この程度の「べらぼう」さには慣れてしまっているせいかもしれない。
生と死、現在・過去・未来、現実と幻想、あなたと私、そういういろんな“事象”が、“世界”が“つながっている”。おそらくそういう解釈になるだろう。そしてそれは、アヴァンタイトルで分かってしまうことだ。アヴァンタイトル以上のワクワク感は、この映画には無かった。
“世界がつながっている”物語は村上春樹が得意とするところで、そういう村上春樹的な「べらぼう」さを期待したんだがなあ。 いや、ハルキ的なところもあるんだよ。ナマズ君とか。ハルキの短編にもカエル君がミミズ君と戦って東京を大地震から救うって話があるしね。 そしたらなんだかスピリチュアルなよしもとばななだった感じ。いや、よしもとばななも嫌いじゃないんだけどね。
(11.03.26 渋谷シネマライズにて鑑賞)
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