コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] みんな元気(2009/米=伊)

冒頭から全編に亘って哀愁が漂う。妻を亡くした父親の喪失感。子供たちが抱えている現状。折にふれ子供たちがまだ幼かった頃の映像が挿入される。父親は仕事仕事でいかに子供たちと接していた時間が短かったかがわかる効果的演出。アメリカ縦断ロードムービーとしても秀逸。なぜか泣けてしまう。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







子供たちはみな、自分の生活で手一杯。一人で勝手に大きくなったと思っている。

一方父親の中では子供たちはみな子供のまま。

子供たちに押し付けていた理想と現実のギャップに次第に気付く。が、デイヴィッドの死を知った瞬間、「みんな元気ならそれでいい」と思えるようになる。

現実では。

自分が成人すると、子は親と会う機会や回数は激減する。みんな自分の家庭や仕事があるからだ。

ただ、親は年齢的に必ず自分たちより先に死ぬ。仮に1年に1回会えたとして、あと何回会えるんだろう、と考えるとたまのクリスマスくらい帰省してもいいんじゃないか、と思わされるんじゃないだろうか。この作品を観るとそういう気分にさせられる。

日本では劇場未公開作品との事。もったいない。配給会社はどこに目をつけているんだ? 大作ばかりにうつつを抜かしてこんな名作を放置するなんて何たる失態だ! ほとほと呆れかえる。何たる失態、もう、何たるだ!

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。