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[コメント] スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団(2010/米=英=カナダ)

アラン・ムーアが関わる作品群でグラフィックノベルというジャンルを知ったので、逆にこういったものもあると知れたことは収穫だった。
Master

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監督のエドガー・ライトは適任である。『ホットファズ』でも見せたスタイリッシュな演出・編集は本作に必要であるし、その中に小ネタを丁寧に織り込むという要素に関しても彼の手腕は信用できる。その意味では確かに楽しめる作品ではあるのだが、個人的にはあまり乗り切れなかった。

スコットを「駒」にしてファミコンのアクションゲームを映像化するのであれば、徹底的にその路線でやりきらなければならなかったと思う。最たるものが5戦目の片柳兄弟戦。なぜ急にフィジカルコンタクトを廃してしまうのか。ラモーナによる出会いから別れまでの説明も6戦のうち唯一これだけカットしてしまっているし、ファミコンモチーフだから日本から誰か連れてこないととでも言うような「義理」でも働いたかと邪推したくなるあっけなさである。この違和感は結局最後まで残る。ここは残念な部分であった。

ただ、グラフィックノベルは『ウォッチメン』や『バットマン』シリーズに代表される、極シリアスなヒーロー物なんだという固定観念をあっさり突き崩してもらえたという点においては大いに評価する。まぁ、読むかといわれれば、読まないが。

(2011.5.20 横浜ブルク13)

(評価:★3)

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