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[コメント] マイ・バック・ページ(2011/日)

フラットな視点を入れ込む意図と、あのセリフを入れ込む意図は分かるが、倉田眞子(忽那汐里)は明らかに不要。その分の長さが究極的にもったいない。
Master

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東大安田講堂の歓楽を遠くから眺めている沢田(妻夫木聡)。立てこもっていた連中が連行されていく最中大泣きしている。「泣くなんてみっともねぇなぁ」「そんなことない。素直に泣けるのって良いと思う。」こんなシーンを梅山(松山ケンイチ)との会話シーンのどこかにフラッシュバックで入れれば、倉田のシーン全カットで尺を短くかつ世界を濃密に構築することが可能で、その部分が非常にもったいなかったと思う。別に忽那がヘタということではないが、本作にとっては小さくない傷である。

この部分を除けば、純真な沢田と明らかに「スタイル」重視の梅山という二人の話が上手くまとまっていると思う。個人的に秀逸だと思ったのは喫茶店で漫画雑誌を読んでいた梅山が安宅(石橋杏奈)が戻ってくる直前に漫画を閉じ小難しい顔をする所を浅井(韓英恵)が軽蔑交じりに見るところ。梅山の俗っぽさ、「偽者」感がひしひしと感じられなかなか面白かった。

天然コケッコー』以降目だってこなかった山下敦弘監督の「復活」を高らかに宣言して問題ないだろう。次回作以降も大いなる期待を持って待つことにする。

(2011.06.04 tohoシネマズ川崎)

(評価:★4)

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