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[コメント] 終着駅(1953/伊=米)

道徳的にはまったく納得いかないが、次に何が起きるのか?というサスペンスとして見ると、ちょっと面白かった。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 まず、女を殴ることが許されてる文化って理解できん。理解したくもない。ってか、そういうシーンを見た瞬間に引いてしまう。ラブ・ストーリーは(恋愛そのものも、かもしれんが)、いったん引いてしまったらアウトだ。

 次に、彼らが犯した”犯罪”を署長が裁くシーン。人目につく可能性のある場所で、男女が性行為(と言っても、実際にはキスして抱き合ってただけだと思うが)をするのは、時代的・文化的背景を考えれば、犯罪だったのだろう(※1)。これは理解できる。だが、警察署長に裁くことができるのは、犯罪に該当するかどうかだけで、道徳ではない。メアリが結婚してるかどうか、子供がいるかどうか、そんなこと質問する権利もなければ、答える義務もない(※2)。こういう描き方自体が気色悪い。

 ただ、次に何が起こるんだろう、というサスペンスとしては、なかなか見せた。けだるく、でも事務的に、しかも感情を交えながら判断を下す署長なんて、結構スリリングだった(道徳的には腹立ったけど)。だから、引いてさえなかったら、恋愛物として楽しめた、のかもしれない。実際、ジェニファー・ジョーンズ可愛かったし。

 まあ、何も起きなかったけど。

75/100(04/10/26見)

※1)『ニュー・シネマ・パラダイス』では(同じイタリア国内でも舞台はシチリア島だが)、初めてキス・シーンの公開が許されたのは、戦後だった(直後ではない。しかし、あれはいつ頃だったのだろう)。どよめく劇場の中で、黒ずくめの老婦人が、ひとり十字を切っていたのが印象的だった(でも、ちゃんと見てた)。

※2)と、思うんだけど。

(評価:★3)

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