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[コメント] ブーベの恋人(1963/仏=伊)

ヴェナンツォの撮影はここでも超一流、ジョージ・チャキリスが車で連れ出され引き裂かれたCCが叫ぶ縦構図など箆棒で、裁判所のユニークな空間処理が印象的。流麗な編集も素晴らしい。映画の教科書のようだ。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







話は興味深い設定なのに通俗に作り過ぎだ。話題の両男優を左右に配した三角関係みたいな企画はこの深刻な劇に必要だろうか。こういうプロデュース感覚は馬鹿馬鹿しいばかりである。

ファシストと国王と連合国とパルチザン(なかにはキリスト教徒と社会党と共産党)が入り乱れるイタリア共和制の成立過程はややこしいが、チャキリスはユーゴに逃れるのだから共産党系なのだろう。63年の時点でもパルチザンの冤罪が共感を呼んだ史実が興味深い。この確認は原作に当たるべきなのだろう。

(評価:★3)

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