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[コメント] ザ・ウォード/監禁病棟(2010/米)

久々のカーペンター監督作品!ストーリー展開といい、小道具の使い方といい、極上のサイコ・ホラーに仕上がっている。満腹満足。
サイモン64

待ちに待ったジョン・カーペンター監督作品である。ていうか、まだご存命だったのだ!(失礼しました)のっけから巻き起こる謎の殺人。タイトルバックで使われる拷問絵図や、いわゆる「癲狂院での治療」の写真と、不気味さ満点のオープニングである。当然CG技術は多用されているわけだが、古めかしいフィルム映画のような、おどろおどろしさが前に出てくるさりげなさが素晴らしい。

主人公を取り巻く謎の殺人や不思議な出来事の数々。「くるぞ!」と思っていたらきっちり来て、「またくるぞ!」と思っていたらこなかったけどやっぱり別のところから来た!みたいな恐怖演出もしびれるほど素敵だ。

謎解きはそれほどミステリーには満ちていないが、まあまあの味付けといえよう。最後の最後は例によって投げっぱなしで、これまたファン心理をそそる出来上がりである。

不気味な音楽も良い。

あと、「カッコーの巣の上で」とか「ターミネーター2」や、最近では「フロム・ヘル」とか「シャッター・アイランド」的なモチーフも入っていて、なかなか楽しい。昔の精神病院というのは、医者のほうもそんなには精神というものがわかってないので、治療もまた一種拷問的な味わいがあって、ぞくぞくするような雰囲気があるというと不謹慎か。

1966年が舞台の割には、登場する女性の多くが現代的に垢抜けて美しいところに違和感があるのだが、美しいのでそこは許す。

(評価:★5)

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