[コメント] 灼熱の魂(2010/カナダ=仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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最初の15分くらいまでは、映画の流れがよく掴めず、ストーリーについていくのがやっとでした。色々あるんですが、双子の姉弟はフランス語で喋ってたのでフランス国内の話だと思っていたんですが、実はカナダなんですね。あと母親ナワルの国が中東のどこなのかもよく分からない。もう少し言うと、母親ナワルと娘のジャンヌのキャラが、結構かぶっていて分かりづらかった。髪型も衣装も微妙に似てるんだよね。カナダやら中東がどうこう分かれば話は分かるという訳では無いが、知らないと普通気持ち悪いし、そういった無知な人でも間接的に分かるようにしてほしい。
ただ話の流れが分かり始めるとなかなか面白くて、映画全体はとてもクールな作りで良かったと思う。「レディオ・ヘッド」の曲も雰囲気に合ってたし(ちょっと使いすぎかな)、突然赤い文字でタイトルが入ったりする処理もゴダールっぽくてなかなか斬新。あと謎解き映画でもあるので、最後まで気になって観てしまいます。割と派手なシーンはとても良く描かれてたと思います。ナワルが暗殺するシーンは緊迫感があってとても良かったし、子供達がスナイパーに狙われてるシーンで、ローアングルから子供達を後ろから追うカメラワークは「フルメタル・ジャケット」の中東版みたいな映像でドキドキしました。破壊された町並みがとてもリアルで、アート系な作風ながらにああいった動きのある映像もしっかり撮れるのはとても素晴らしいと思います。
結末は「えーー」って感じ驚きましたが、ナワルの不幸話を長々と聞かされてか、途中から母親のくだりは少し退屈でした。テロリストみたいな事して捕まれば「命があっただけ良かったじゃない」と思ってしまいます。あと長男の人はなんか可哀想な感じでした。あの人こそこの事実を知らない方が良かったんじゃないかと思う。あの後どうしたんでしょうね。あの姉弟と合う事は今後あるのでしょうかね。しかし、あんな遺書突きつけられるって普通あり得ない。子供達もその話を一切聞かされてない風だし、親子のコミュニティはどうなっているんだ?最後まで話す気なかったのか、話そうと思ったけど「遺書にした方がいいんじゃね?」と思ったのか。まぁなかなか理解しがたい話ではあるけど、肝心なシーンが気になるというのは「なんかもったいないな」と思った。
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