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[コメント] SHAME -シェイム-(2011/英)

みんな〜やってるか!』みたいなめちゃくちゃな話にしたほうが設定は生きたと思うが、ちょっとこの題材をやるには製作者は生真面目すぎたか。
Master

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あまり情報を入れずに観に行ったので、「セフレ満載!どーだすごいだろー。」的な話なのかなと、そりゃ妹転がり込んで来たら迷惑この上ないわなと、かなり下衆な想定をしていた。タイプ的には「シティーハンター」の冴羽遼がもっとその方面でえげつなくなっているような展開なのかなと。

しかしながら、金が介在するかバーチャルか行きずりか、つまりは「その場限り」の相手でないと反応しないやたらと陰気な依存症の話に仕上がっていたのは意外であった。

まぁ、当初の想定通りで最後に鉄槌下るという話よりかは好みの路線ではあるのだが、それにしても全体的に陰鬱すぎる。妹の自殺というラストの展開につなげるのであれば、言葉が難しいがもう少し「依存症を楽しんでいる」描写が必要だったと思う。その落差よ!という方針の方が生きたのではないかと思う。

共同脚本のアビ・モーガンは『マーガレット・サッチャー』の脚本も手がけており、はっちゃける手合いの脚本は苦手な資質の人なのかもしれない。『ピラニア3D』とか『ジャッカス』とか目の色変えて批判するタイプなんでないかな。

イギリスの妙な生真面目さがマイナスに働いたと思う。依存症がその本人にとって重大な問題なのは否定しないが、それでもセックス依存を大上段から大真面目に語るのは、エンタメの世界においては少し違うのではないか。そんな違和感が残る作品であった。

(2012.7.12 ジョイランドシネマ沼津)

(評価:★3)

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