そりゃ猛スピードでビル群をすり抜けたり画面に向かって糸を飛ばす映像は、それだけである程度は快感を覚えます。

が、背後からの攻撃はよけられても大事なスケボー(何か由来あったのこれ？)が壊されるのは防げなかったり、スパイダーマンの具体的な強さが初期段階からフラついている印象がありました。そのせいでせっかくの見せ場のアクションにも変なしこりを感じ、喝采をあげるまでには至りませんでした。

主人公の人となりを語るはずのシーンも唐突というかテンプレ的というか、「えっそれで済ませちゃっていいの？」と戸惑ってしまう物足りなさで、ピーターの葛藤がぼやけてはっきりしません。責任がうんぬんといった大事なことを置き去りにしたのは致命的です。 そのお陰で「守れない約束もあるよね…」ってのもあっさり警部を裏切ったように見えて、正直それどうなのよーとか思ってしまいます。

また、タイミングを外したコメディ描写も感情移入を阻害するだけではっきり言って邪魔なだけでした。

結果、このスパイダーマンに対して声援を送る気はあまり起きず、どーぞどーぞお好きにおやんなさい、3Dで画面飛び回ってればそれなりに楽しいから、とかそんなことを思ってしまったのでした。

あとヒロインよりもペンキぶちまけられちゃうメガネ娘の方が気になって仕方なかったです。