[コメント] ブラック・ブレッド(2010/スペイン=仏)
階級脱出を否定的に語る上に事件自体が超ドメスティックであるから、事件に由来する感傷に驕慢なものを覚えてしまう。庶民賛歌が強調されるほど、それに反比例して階級脱出への欲求が高まってしまう。
階級脱出劇が前提にないために、それが観劇者の中で誤って成立すると、無意識の操作が事実上行われてしまい、スリラーが切実になるのである。したがって、結末の冷たさは悲劇ではなく固ゆでたまごである。
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