コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] おおかみこどもの雨と雪(2012/日)

母子の物語として鑑賞し得る。☆4.4点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







観客は細田守を観る時、戦わねばならない。緻密さ・丁寧さ・爽快さの裏に見え隠れする、胡散臭さとの、或いは或る種の安っぽさとの戦いである。何を描き何を省くか、という作家性の本質が、観客と激突しがちな作家である。今作では宮崎あおいの力もあり、女性の一代記としての風格を持ち得たと思う。

類型的、が大作感に上手く繋がった。お父さん・お母さんの、私達が生まれる前の物語。お父さん狼の悲劇、即ち家族の最初にして最大の悲劇(『キタキツ物語』のレイラを思い起こさせる)も唐突で類型的だが、<大作感>に供ぜられたのだと受容出来る。男女2人の子供が、成長の後に当初とは別の選択をしてゆく所なども、悪くは無いと思う。

ギリギリ、現代アニメ史に於ける名作の一つと言って良いのではないか。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。