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[コメント] レ・ミゼラブル(2012/英)

予告篇のアン=ハサウェイは独立したもう1本の映画と観るべきです。本篇と共に☆4.8点。
死ぬまでシネマ

ユーゴーのオリジナルで「噫、無情」を読んだことの無いヘタレですが、この物語は子供の頃から強く記憶に焼き付いています。だから材料とこちらの心の準備はもう数十年分出来ているので、後はどう卒なく魅せるかなのです。

しかし予告篇にはヤラレました。あれはイカン。本篇とテイク違いなのにもヤラレました。(最初「予告篇だけを評価するなら☆5.0点」としましたが「作:ブーブリル&シェーンベルク」(舞台版の脚色家)とクレジットしヴィクトル=ユーゴーに触れなかった傲慢で-0.2点としました。)

シルクドゥソレイユ』でもそうでしたが、舞台を映画で観る利点は視点が自由自在になる事です。(敢えて舞台らしさを出す為に頑固にロングを維持する監督もたまにいますが)この映画では役者が歩き回り、カメラは多くの場合それを真正面から近接して捉え続けます。

でも、この視点って日常でもあり得ない位置なので、あんまり役者の顔を観続けたもんでちょっとグッタリしたのは事実。意図は解るし歌唱の直録りと相俟って非常に効果的だったのは認めます。

ミュージカルなので展開が早いのは利点でありますが、前半の物語がじっくり観られなかったのは残念。(アレもコレもですが) お白州(裁判)で桜吹雪が目に入らねぇかと見栄を切る所も、好きな場面だけにもうちょっとタメが欲しかったです。(アレもコレもですが)

ヘタレの心の中ではジャベールはあんなに肉々しくないのですが、ラッセル=クロウが格好よく、実に憎々しく演じてくれているので許します。ただその最期の解釈が自分とちょっと違うんだな〜。クロウを始めとして超絶歌唱者たちに囲まれて、主人公のヒュー=ジャックマンもクロウしたと思いますが、なかなか頑張りました。じゃなくてガンバルじゃん、ジャン=バルジャン、…。

革命青年たちの敗北ぶりがミュージカルとは思えない程現実的で胸に詰まり、そしてちょっとフィーチャーされ過ぎのハサウェイが常人の1.5倍増しの瞳でこの上ない好い笑顔を見せる天上のバリケードには、あらためて涙が流れました。

(評価:★5)

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