ただ、最後の字幕「この映画を小津安二郎に捧ぐ」云々の件はちょっと。

　それまでとても気分よく、時に笑い、時に涙ぐみ、大船調というか80代を迎えた山田監督の現在を堪能してたわけで。しかも２時間半に及ぶ大作をよく牽引していたと思った（途中小林稔侍が出て来た時はどうしようかと思ったけど）。

　が、最近の映画にありがちな長い長いエンドロールの最後の最後に「この映画を小津安二郎に捧ぐ」･･････違う、それは違うよ。この字幕を観た瞬間、シネスケの☆が完璧に１つ減ったよ。だって、そういうつもりで観てたわけじゃないし、なんだよそんなに自信満々だったのかよって。なら話は別だ。観客としてもっと違う眼で本作を観なきゃならん。

　同じ字幕なら最初に出せよ。ならわかる。でも、最後の最後に出されたらちょっと違うよ。「えっ？ そういうつもりだったの？」って、大昔のお見合いじゃないんだからさあ。