[コメント] ケープ・フィアー(1991/米)
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証拠隠滅を図って刑務所に収監した男に狙われる弁護士一家のサスペンス映画。『恐怖の岬』のリメイク。
オリジナルは未見だが91年製作の作品の割には描写がかなり古くさいというか稚拙な印象を感じた。そもそもこの作品でおかしいのは、弁護士のサムは過去のマックスの裁判の際に自分で犯した証拠隠滅を出所したマックスに再び襲われるまで全く気付かないという点。そんな重大なこと忘れてしまうのも難しいと思うが、何よりも殺人容疑の裁判で証拠隠滅を働いて、なおかつ今まで被告人に襲われることを心配していないどころか全く気にしてなかったというのも不思議でならない。
さらに主人公のサムは出所したマックスを再び刑務所に収監しようとする際にも、どじっぷり発揮し、本当に弁護士なのかと甚だ疑問に感じてしまった。
ストーリー的にはマックスがサムの娘ダニエルに取り入ったりして、サムを翻弄する展開だが、それに対抗するサムの行動はとても弁護士とは思えないどじっぷりなので、緊迫感を感じないどころか観ている側をバカにしているようで観てて萎えてくる。いくらサムがマックスの行動に上手く嵌められるという展開だとしても、せめてサムのキャラぐらいはもう少し賢いキャラにして欲しかった。
また、サムの不倫相手ローリーがマックスにレイプされ証言しないように脅迫されるシーンで、ローリーがレイプされた恐怖で本当に証言しないところも御都合性が強くで強引に感じる。いくら強迫に怯えていたとしても、被害に遭えば彼女に警備ぐらいは付くだろうし、仮にもマックスは服役していたのだから証言すれば指名手配にもなりかねないわけで、むしろ証言することの方にメリットを感じてしまう。
後、マックスのキャラ設定にしても最初は悪賢いキャラではあったが、話が進むとそれもなんだが何でもありような感じになり、逆にサムがマックスに襲われるという展開に対する興味を減退させているように思う。
結局、この作品はマックスにしてもサムにしてもキャラ設定がいいかげんな感じで、サムの娘ダニエルを演じるジュリエット・ルイスの演技以外にはあまり見どころが感じられなかった。
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