[コメント] プラチナデータ(2012/日)
殺人の真犯人探しにあまりこだわらず「プラチナデータ」をめぐる企みを中心にすえて正解。それによって本格SFとして十分通用するものになっていると思う。
ところどころ、おそらく原作をかなり端折ったような部分があるし、連続殺人犯の正体は何かとってつけたような感じがしないでもない。
しかしそういう点にこだわらず「プラチナデータ」そのものを題材にした近未来SFとして見たら、かなり興味深く面白い。
生瀬勝久の台詞に「殺人犯なんてどこぞの変死体を見つけてそいつに仕立て上げれば十分だ」みたいなのがあったが、それがそのまま本作の展開にもあてはまっているのがちょっと皮肉。
本当に完璧な「プラチナデータ」とそれをフルに活用できるシステムがあるといろいろ困ったことがある、それをどうするか。本作のこの基本アイディアは平凡といえるが、しかしこの場合の「平凡」とは、普通にそうなりそうという意味の方が大きく、その分、怖さもある。
そういう近未来に登場するかもしれないシステムが何をもたらすかを描いたという点で、この映画は良質なSF映画になりえたのではないか。
また、役者も豊川悦司を筆頭に二宮、生瀬などみな非常にいい芝居をしている。それに比べると女優陣はきれいどころをそろえた割には正直、今ひとつ。
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