[コメント] メッセンジャー(2009/米)
戦争で異変があった時に肉親に告知する役目を背負う軍人。彼らの存在は知ってはいたが想像以上に過酷で大変な任務である。映画は戦争の裏側に潜む人間の苦悩を静かに描き出し秀逸。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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でも思ったより甘いかなあ。肉親の肉体接触禁止のはずなのに思わずハグしてしまうベン・フォスター 。それは自分自身の精神的成長の結果でもあるのだが、映画的とはいえ甘い。
あらゆる肉親から罵倒され「何故あなたが生き残り私の息子が死ぬんだ?」なんて詰問されたフォスターが、のちに一遺族から申し訳ないことした、と謝られるなどメチャ甘。
そして自分から捨てたような都合のよい女の結婚式にまで出席し、ぐずぐず言うのはみっともない。男の恥だとも思う。
だいたい女の気持ちが分からない。セックスを求められ、今また亡き夫を愛し始めていると告げてわずかの時間で、何故男を受け入れるまでに至ったのか。それらが映像で十分説明されない。
厳しい内容だからせめて希望を持ちたいという製作者の気持ちも分からんではない。しかし、同僚のあの剛腕男にまで号泣させるシーンもあり、何故なのか分からず僕自身困窮気味。
告知エピソードが緊張感にあふれ、人間の尊厳に触れる秀逸な演出だったので余計それらが目立ってしまっていると思うのだ。
なるほど日本でも新藤兼人の『一枚のハガキ』で同様の告知人の存在を僕らは見た。東西問わず戦争の過酷さは戦闘シーンがなくとも十分描かれるのだ。題材が素晴らしいだけにちょっと残念な映画かなとも思った。
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