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[コメント] スプリング・ブレイカーズ(2012/米)

タイトルバックは、フラッシュ・フォワードのようなものか。ふざけて騒ぐ、浜辺の男女。胸をさらけ出す女たち。時系列的には、クレジット後の大学生活の描写からスタートだ。
ゑぎ

 春休みにフロリダへ行く計画。女の子4人ないし3人が、廊下で逆立ちしたりするイメージが印象に残る。セレーナ・ゴメスを除く3人によるダイナー強盗。覆面はこゝでも用いられている。

 時間がタイトルバック辺りに戻り、浜辺の男女の高速度撮影が繋がれる。プールで踊る女たち。ジェームズ・フランコは、既にこゝで登場しており、イベント司会者のようなことをやっている。彼は「ビキニとケツこそ人生」と云う。プールの水面上と水面下を上手く見せる。このあたりのカメラワークとカッティングのセンス、テクニックは申し分ない。4人の女子が警察に捕まった後の、ぶっ飛んだイメージも凄い。

 フランコが再登場し、女子4人を連れ回すようになってから、緊迫感も倍増しする。フランコと女子とのやりとりの描写で、フラッシュ・フォワードがやたら多いのも、その一因だ。女子は、フランコの仲間に蹂躙されるのか、どこかに売られてしまうのか、と思って見ていたが、そんな安易な展開ではなかった。女子たちはピンクの覆面をし、フランコと一緒に傍若無人に暴れ回るのだ。いや、フランコを支配しているようにさえ見える。銃のスライド音や銃声のエフェクト、ブリトニー・スピアーズの弾き語り、同じ科白「やるのか?」「怖いんでしょ」「意気地なし」の繰り返し、これらの肌理細かな使い方も効果を発揮する。結末は、フランコと女子による、任侠映画のような殴り込みだが、このエンディングで、黄色いビキニと揺れるケツの後ろ姿が画面に現出するのだ。本作のフランコ も、とても良い役だと思う。全体に悪い出来ではないのだが、恣意的過ぎるか。いまひとつ、求心力が欲しいとは思う。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)irodori

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