[コメント] 利休にたずねよ(2013/日)
市川海老蔵の貼りつめた演技はまさに白眉であり、映像の美しさがより一層引き立たせる。これだけで☆1つの価値はあると思う。だが……脚本は近年稀に見る酷さ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この映画は利休を題材とし、利休の美の原点を探る物語なのだが……問題点が多すぎる。見た人間なら誰でも気付く一点はもはや論ずるに値しないし、口にするのもバカバカしい。それらを無理やり盛り込もうとしたが故に時代的にはあり得ない描写が散見される。この1点を取っても愚劣極まる駄作と論じても良いが、それらを除いてもこの作品は駄作の烙印を押されることになる。
この物語を恐ろしく乱暴に語ると「恋人が死んだので自分自身の美意識、それも自分が良いと思ったはっきりと言えばくだらない物を価値があるように作り上げる」と言うもの。 確かに利休は呂宋の壺然り高麗茶器然り、事実秀吉が切腹を命じた理由の一つがこの売僧の件とも言われるわけだが……にしたって、常に創意工夫を求めた利休がこんな復讐の為だけに茶の湯を作り上げたなんて陳腐な筋書きが到底許されるものとも思えない。
前半の良さを後半が完膚無きままにぶち壊してくれた。今年随一のがっかり映画。
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