[コメント] ゼロ・グラビティ(2013/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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とにかく表現手法の映画。宇宙空間 x 3D映像 という設定だけで、この映画の良さの9割位は説明がつく。残りは音響効果。 テーマは、「生きて帰る」以外、特に目立つものはない。生きることの大切さを説くわけでもないし、何かの有り難みを伝えるわけでもない。 ストーリーは、脱出パニックものとしてごくありきたり、というか、ほぼ最低限に近い。標準アイテムとして同胞が死亡するとか、頼みの綱の脱出ポットは使えないとか、過去に後悔をもっているとかがついている程度。鑑賞後に何かを学び取るわけでもなし。
映像は素晴らしかった。冒頭のシーンは、一発目からとても長尺。遠くから地球を眺めるのだが、この表現の美しいこと。段々スペースシャトルが近づき、作業している様子にズームし、最後には主人公のヘルメット中にカメラが入り込んで酸素の残量表示を見せてくれる。 スペースデブリ(宇宙を漂うゴミ。移動速度が早いので、機体に当たると大事故になる)が降り注ぐシーンは高い緊張感がある。地上のように火が上がったり大爆発したりはしないが、高速で移動するものがぶつかって、ぶつかった所から破片が花火のように広がる様子は怖い。破片が3D映像表現でこちらに飛んでくる迫力もすさまじい。 破片が飛んでくる「音」がしたり、一度止まった人が「再び流され」始めたり、宇宙空間にいることと矛盾する表現でしばしば現実に引き戻されるが、全体としては緊張感が持続され、思わず叫びそうになる迫力のある映像表現で良かった。
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