[コメント] ハンナ・アーレント(2012/独=イスラエル=ルクセンブルク=仏)
人知を超えた悪に遭遇したとき、人はその行為者をひたすら感情的に悪魔と罵倒するか、規範の及ばない狂人として区分することで平穏を保とうとする。「奴は特別」という常識という名の差別基準と、「自分だけは違う」という無根拠な自信こそが「悪の凡庸さ」の萌芽。
「悪の凡庸さ」を頭で理解できても、感情的に受け入れられない人々とは、自分が人知を超えた悪を実行するかもしれないという事実に、無意識に脅える人たちのことだ。ハンナ・アーレントに対するバッシングは「人の弱さ」の顕在化であり、「悪の凡庸さ」の実証にほかならない。
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